「IJIME」という日本の言葉が、一部とはいえ海外の人にも使われるのはなぜだろうか。世界的に見ても、日本はやはり「いじめ大国」なイメージなのだろうか。

「韓国や中国では、戦前から戦後しばらくの間、日本語の『いじめ』をそのまま使っていました。アジアで『IJIME』という言葉の認知度が高いのはこれが理由かもしれません。また、いじめの研究者が参加する国際的なシンポジウムなどでは、日本の『いじめ(IJIME)』という言葉が使われる機会が少なくありません。

日本でも『いじめ』に関連する言葉はいろいろありますね。例えば“いびり”、“仲間外れ”とか。いじめの下位形態としては“無視”、“悪口”などなど。これと同じように海外のいじめを指す言葉は、それぞれにニュアンスが違うんです。他国の『いじめ』と同義に近い言葉が暴力的ないじめ、言葉によるいじめなど、いじめの種類が限定される(日本語ではいじめの下位形態である)場合が多いのに対し、『いじめ』は心理的、身体的、言語的ないじめを全部包括しています。それでいて海外で使ういじめ・嫌がらせという意味の『ハラスメント』よりも、『いじめ』は子どもの問題というイメージが強く、使いやすいという理由もあると思います」(杉森さん)

引用元
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/93067?page=1&imp=0